人間と他の動物との違いのなかに「火」を使うということがよくあげられますが、特にソロのキャンプツーリングでは「火」をおこす行為によって絶大な安心感が得られると感じるのは私だけでしょうか?
その火というのは焚き火であったり、ランタンの明かりであったりするわけですが、その中にストーブもあります。
このページでは私が野外での安心感を得るための道具の一つであるストーブ達を御紹介します。
コールマン ピークワン Model400についてはこちらに掲載してあります。
■オプティマス
8R
バックパッカーやキャンプツーリングをする人なら知らない人はいないというぐらい有名なOptimusのガソリンストーブ「8R」です。
バーナーヘッド、ゴトク、燃料タンクのすべてがエナメル塗装された箱の中に収まっており、ガソリンストーブとしては非常にコンパクトでパッキングしやすく、その姿からよく「弁当箱」とも言われます。
今までピークワンをメインで使ってきたのですが、もう少し小さく赤ガスでもガンガン使えるストーブが欲しかったため購入しました。
ちなみに説明書には白ガス専用と書いてありますが、蓋の裏に張ってある注意書きステッカーにはUse white gasoline or unleaded petrol only.(ホワイトガソリンあるいは無鉛ガソリンのみ使用すること。)と書いてあります。
つまり赤ガスもオッケーなわけです。
赤ガスオンリーでの使用は煤が多く、コッフェルの底も真っ黒になります。
私は赤ガスを使ったときは、アルコールを若干(1割〜2割程度)混合してました。
そうすることによってだいぶきれいに燃焼し、煤も少なくなります。
ですが、道具を永く大事に使おうとするならば、やはり白ガスでの使用は安心できます。
現在、私がガソリンストーブを使う場合は必ず白ガスを使っています。
蓋を開けた状態です。
必要な物はすべて箱の中に収まってます。
中身が暴れないようにするために軍手やプレヒート用のメタなんかを一緒に入れている人もいますね。
ご覧のように構造上タンクが小さく燃焼時間が短いといわれますが、使用する前に毎回給油し満タンにすれば50分ほど燃焼する(カタログデータ)のでご飯を炊いてスープと炒め物を作るぐらいなら問題ありません。
火力調節レバー、ライター、ミニポンプを取り出してタンクを手前に引き出せばセット完了。
ここまでものの数秒足らずで非常に簡単です。
蓋はその形状から風防の代わりになるかと思いきや、その役割はほとんど果たしません。
取り出した火力調整レバーは火力調整時以外はバーナー部からはずしておかないと熱くて触れなくなってしまうという代物ですが、本体をメンテナンスするための工具も兼ねておりなかなか使えるパーツです。
あと、赤ガスメインで使うのであればプレヒート前に一度火力調節レバーを左に回しきりクリーニングニードルでノズルを掃除しておきましょう。
8Rはポンピング不要なストーブですが、その分プレヒートは時間を掛けてきっちり行う必要があります。
プレヒートにはアルコールを使用すると比較的煤が出にくいのですが、スポイトを使ってタンクの燃料を3〜4回吸い取りプレヒート皿に注ぐという方法もあります。
ミニポンプがあれば数回ポンピングしてバルブをひねれば生ガスが吹き出してくるので、プレヒート皿にガソリンがたまったところで着火します。
ガソリンを使ってプレヒートすると結構炎があがりますので着火の際は気を付けましょう。
ドラゴンフライなんかと同じでバーナーヘッドは単純な構造のため結構な燃焼音がします。
これがまたソロの時には心強くていいんですよね〜
私の8Rは買って一週間もしないうちにいつもの癖(?)でバラバラにされましたが、組み直すときにクリーニングニードルの組み付けを誤って消火ができない状態になってしまいました。
火力的には十分ですし弱火もそこそこきくので炊飯もしやすいです。
8R本体を買ってしばらくしてからオプションのミニポンプを買ったのですが、このミニポンプのおかげで8Rは生まれ変わりました。
通常は厳寒時の点火や燃焼を促進させるためのものですが、常温で使用すると点火した瞬間からフルパワーで燃焼します。
ただ、ポンピングの回数は燃料の量にもよりますが、せいぜい2〜3回程度にしておいた方がいいと思います。
タンク内圧が上がりすぎるとタンクキャップの安全弁から火を吹きます。
安全弁を作動させてしまうと内部のOリング交換、最悪はキャップ自体を新品交換しなければならないため、くれぐれも大きな鍋を使ったりタンク内圧を上げすぎないように!
専用のタンクキャップ付きで定価6000円近くしますが投資する価値はあると思います。
ガスストーブなんかに比べれば少々の手間やコツみたいなものが必要なストーブですが、単純な構造故に故障も少なく、どんな状況下でも安定した力を発揮する素晴らしいストーブだと思います。
バイクでのソロキャンプツーリングにはまさにうってつけではないでしょうか。
このように素晴らしいストーブの8Rも時代の流れからか、2005年2月の日本向け最終ロットをもって生産終了となってしまいました。
8Rの愛用者にとっては非常に残念です。
最終ロットの8Rは今までのものより厚手の塗装が施されており、表面は凸凹しています。
色も青味が強くなっていますが、錆対策の改良版なのでしょうか?
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ボロボロだったヴィンテージ8Rを再生(リペア)してみました。
その模様はこちらです。
■ホエーブス
625
往年の名機と謳われるホエーブス625を高槻のぜいろくさんよりいただきました!
さすが名機という感じで、キャンプ場でこのストーブを使っていると、実にたくさんの方から声をかけていただきます。
「点くかどうかわからんで〜」と言われていただいたものですが、このへんのストーブは非常に造りがいいため、ちょっとしたメンテナンスで簡単によみがえります。
こちらはポンプ部です。
やや抜けかかっておりましたが、バラしてクリーニングし注油すればちゃんと圧縮するようになりました。
ホエーブスも最近はパーツが少なくなってきましたが、革パッキンに関しては武井バーナーの「ワン皮 小 301用」というやつが使えます。
ハンドル部分のアップです。
右に回せばガスの吹きだしが止まり、左に回せばガスが吹き出します。
また、左に回し続けるとクリーニングニードルが出てきます。
ハンドルは123Rや8Rと違い長さがあるため、燃焼中も装着したままで使えます。
いちいち取り外す必要がないので意外と便利です。
下の窪みはプレヒート燃料用で、ここにメタを置いたりバーニングペーストを出してプレヒートします。
私の場合は3〜4回ポンピングしてハンドル回してバルブを開け、生ガスをここに落としちゃってます。
これがクリーニングニードルです。
比較的単純な構造と、このクリーニングニードルのおかげで、赤ガスも使用できるようです。
私はお上品に白ガス使っていますが(笑)
タンク容量は0.6L程で、一度満タンにしておけば連続使用で1時間以上燃えています。
燃焼はガスのように静かで火力調整も行いやすいです。
もちろん火力も問題なく数人用の料理をいっぺんに作るなんて時にも威力を発揮します。
五徳も向きを回転させることによって小さいものから大きなコッフェルまで使用できます。
仕舞寸法はやや大きめですが、もちろんパニアケースにも余裕で入るため、稼働率の高いストーブとなりました。
このホエーブスも1992年に製造は中止されているため、これからも大事に大事に使い倒していきたいと思います。
■オプティマス
123R
私にとって123Rとの出会いは古く、二十歳頃にとある本で見たクタクタに使い込まれた123Rでした。
その使い込まれた123Rがものすごく格好良くて、いつかは手に入れて使ってみたいと憧れたものです。
やっと我が手に123Rを収めることができたのは、それから十数年後のことでした。
ガソリンストーブの代名詞ともいえるほど有名なオプティマスの123Rです。
マックススイバート社〜オプティマス社と移り変わってもクリーニングニードル以外の基本的な構造はほとんど変わらず、1世紀以上に渡り世界中で愛用されている、まさに"KING OF STOVE"です。
その辺についての詳細は各コレクター様のページを見ていただければと思いますが、シンプルな構造は壊そうとしても壊れるような代物ではなく、一度手に入れたらほぼ一生物じゃないでしょうか?
ただ面白いことに本体に張ってある注意書きステッカーは8Rとは違い
Never use car/autommotive gasoline/petrol.
決して自動車用ガソリンは使用しないでください。
Use white gasoline or similar.
白ガスあるいはそれと同等の物を使用してください。
Do not overfill tank,keep jet orifice clean - refer to instructions.
燃料は入れすぎないように、そして、噴射口を指示を参照してきれいにしてください。
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と書かれています。
いままでたくさんの人たちが赤ガスで使用してきた実績もあり、壊れることはないと思いますが・・・
もちろん私は全てのストーブで白ガスを使用しています。
道具を永く大事に使おうとするならば、やはり白ガスが無難です。
初めての着火ということで、アルコールでプレヒートしてみました。
おそらくそのうちミニポンプ買って白ガスプレヒートになることでしょう。
それにしてもキラキラして美しいボディです。
記念すべき初着火。
が、いきなりスタッフィングボックスのあたりから着火(笑)
締め付けが全然足りなかったようです。
私の場合、初めて着火したときから、何度も使ったことがあるような安心感がありました。
今まで十数年も憧れ続けてきたストーブだから当たり前といえば当たり前でしょうか。
私も二十歳の頃に見たあの123Rのようにじっくり使い込んでいきたいと思います。
■MSR
ドラゴンフライ
広い範囲で火力調節ができる数少ないガソリンストーブの一つ。
シェーカージェットのおかげで赤ガスを使っても全く問題なく、ジェットを交換すればケロシンも使えます。
このドラゴンフライの最も気に入っているのがその燃焼音。
火力を最大にしようもんならゴゴゴォォと豪快に響き渡ります。
この音を「うるさい」と評する方もいるかもしれませんが、私は何故か不思議な安心感が得られます。
消化時の静寂も趣があっていいもんです。
また広く丈夫なゴトクはかなり大きな鍋を乗せても非常に安定しており、数人のパーティでもこのストーブ一つあればとりあえず十分でしょう。
実際に直径26cmの大型のアルミ鍋で豚汁を作ったことがありますが、全く問題ありませんでした。
ドラゴンフライに付属するアルミ製風防が実はなかなか優れものです。
安っちいペナペナな風防ですがその分軽量で有るのと無いのとでは大違いです。
この風防があることによってドラゴンフライの性能が100%発揮できるといってもいいと思います。
以前は安く購入できたこのアルミ風防ですが、現在は2100円もします!
新型ポンプユニット
旧型のポンプユニットはMSRらしからぬ弱い作りで、あちこちからクレームが付いていたようです。
かくいう私のポンプも、ポンププランジャーを止めるためのツメの部分が割れてしまい、クレームで部品交換をしてもらったことがあります。
そんなこんなで、2004年以降に販売されているドラゴンフライには改良型のポンプユニットがセットされて販売されています。
改良版のポンプユニット単体でも購入できるため、今回思い切って購入しました。
値段は5565円(高っ!)。
ちょっと納得いかないですが、今後も安心してドラゴンフライを使用したいため投資しました。
家に帰ってきてパッケージを開封したら、上記のアルミ製風防も入っていたのは、ちょっとだけうれしかったです。
新旧ユニット(右側が改良型ポンプユニット)の比較です。
空気をボトルの中に送り、圧をかけるためのパイプが、本体部分に内蔵されています。
確かに改良版だけあって剛性感がまるで違いますが、かといって、万が一落としても割れるような材質ではないので、安心して使えますね。
ただ、L字型になった改良型ポンプはボトルの中にちょっと入れにくいかなぁ〜
操作性については、メインバルブが使いやすくなっており、また、ポンピングもなめらかでコシのある感じになっています。
改良型ポンプであっても基本的性能には影響しないだろうと思っていたのですが、燃焼は以前より安定しており、青い炎できれいに燃えています。
購入の際には、ちょっと納得いかないところもありましたが、やはり改良型は間違いなくいい製品になっていました。
■スノーピーク
ギガパワーストーブチタン"地"オート
こいつはビックリの大きさと軽さです!
重量わずか87g!収納ケースに入れれば胸ポケットにもしまえます。
ランタンとセットで使っています。
この大きさと軽さ故、常時持ち歩いています。
ソロの一泊キャンプツーリングなら110gのカートリッジと小さなクッカー、あるいはシェラカップ2つもあれば十分対応できます。
このギガパワーストーブ"地"はチタンモデルとステンモデル、それぞれにオートイグナイタの有無によって4種類ラインナップされています。
重量の違いはあれど、どれも非常に優れた製品ですので買いでしょう!
■ALVA
つめかえ君
今までガスストーブ等にはガスカートリッジの問題(割と高価で、販売店が限られている)がありましたがこの詰め替えくんのおかげでそれらの問題が一挙に解消されました。
コンビニでも売っているカセットコンロ用のカートリッジからガスを充填し直したり、非常時には写真右側のアダプターを介し直接接続して使用できます。
値段も3000円しないぐらいだったのですぐに元が取れます。
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■SAM JUNG
韓国製アダプタ
詰め替えの機能を完全に排除しカセットガスを使うことのみを目的としたアダプタが、この韓国製アダプタです。
俗に言う「555」かその同等品で暖かい季節ならカセットガスでも十分使用できます。
ただしこれらの商品はPL法適用云々の問題もありますのであくまで自己責任で使用しましょう!
ストーブの燃料ってどうしてますか?
アンレデッドなら赤ガス(普通のレギュラーガソリン)も使えますが、400・400Aシリーズなんかは永く使おうと思えばやはり白ガス(ホワイトガソリン)を使用することになると思います。
そのほうがジェネレーターも長持ちしますし。
ところがこの白ガス、コールマン純正だとなんとリッターあたり700円以上!!
いくら何でも高すぎますよね〜
昔はガソリンスタンドで安く売っていたんですが、最近は白ガスを置いているスタンドもなかなかないと思います。
そんなこんなで現在はJXエネルギー製品のホワイトガソリン(金属洗浄用溶剤)の18L缶を購入して使っています。
一斗缶なので保管場所がないと厳しいかもしれませんが、リッターあたり300円とコールマン純正の半額以下!
今まで10年以上使ってますが性能的にも全く問題ありません。
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