キャンプと言えばやはり最初にイメージするのはテントでしょうか。
テントがないとキャンプできないか?と問われるとそうでもないとは思いますが、一般には皆テントの中で寝るようです。
虫、寒さ、そして雨風から人と荷物を守ってくれます。

それではキャンプツーリングに適したテントとはどんなテントがよいのでしょうか?
まず、バイクで運ぶことを考えれば収納時に小さいに越したことはないです。
通常はリアシートに載せて運ぶ訳ですから収納時の幅は目安として40cm前後ならいいと思います。
なおかつ軽いというのもポイントです。
バイクが運んでくれるのでグラム単位の重さを気にする必要はありませんが、駐車スペースからテントの設営場所が離れているようなキャンプ場の場合、軽ければ軽いほど運搬は楽になります。
テント本体・フライシート・フレームを含めると2kg〜4kgぐらいが一般的かと思います。
ソロキャンプに6人用のファミリーテントではちょっと大きすぎますし、他の荷物が積めなくなりそうですよね。
持ってこれたならすごいとは思いますが・・・
さて、実際に使用する段になって「人が寝たら荷物置くところがなくなっちゃった!」では困りますよね。
前述の軽量コンパクトは確かに大事な要素ですが居住性もまた無視できない問題です。
通常は使う人の人数+1名という定員基準で選んでおけばいいと思います。
前室(テント本体とフライシートの間に設けられたスペース)もあると便利です。
私自身前室のないテントは考えられません
ブーツやゴミをテント内に持ち込むのは抵抗がありますし、ある程度の広さがある前室なら雨の日の調理場として活用できます。
アーデイン等の大きな前室をもったテントもありますが、雨の日なんかは快適でしょうね〜
さらに欲を言うと換気を考えて作られているテントは快適です。
特に夏場はベンチレーションシステムがないと湿気がたまったり室温が上がったりでかなり不快になります。
そして設営が難しいテントもあまりおすすめできません。
雨の中たくさん走って疲れているような場合は気が滅入ってしまいます。
フレームの本数が2〜3本程度で自立式と呼ばれるドーム型テントならば割と簡単に設営できます。
私の所有するテントを御紹介
■RIPEN(アライテント)
トレックライズ1
今まで何種類かのテントを使ってきましたが、私の用途としては究極と思えるテントを購入しました。
それがアライテントのトレックライズ1です。
ご覧の通り収納サイズは驚異的で雨具とほとんど変わらず、重量も全部で約1700gしかありません。
ポールはスカンジウムを含んでおり、剛性感があります。
ポールの仕舞寸法38cmというのが、このテントを選んだ理由の一つです。
パニアケースでもザックの中でも問題なく収まります。
簡単に設営方法を御説明します。
ポール2本のオーソドックスなタイプのドーム型テントです。
テント本体はスリーブを通すタイプですが、さほど難しい作業ではありません。
撤収時は引き抜くことは難しい(ポールの継ぎ目が抜けてしまう)ので、押し抜きます。
スリーブは一方通行なのでいちいち反対側に回り込んだりしなくてもオッケーです。
当たり前とも思えるような構造ですが、一方通行じゃないテントは意外と設営が面倒です。
ちなみにスリーブと本体の縫い目(色が変わるところ)は、付属のシームコートを塗ることによってよりよい防水性を発揮します。
お金を出して購入したのになんで自分でシームコート塗らなきゃいけないの!という方はこのテントの購入を諦めた方がいいです。
手前側はハトメに差し込むだけです。
ハトメは二つありますが、寒くてテント本体が縮んでいるような場合に外側のハトメを使用するのかな?
私はいつも内側に差し込んでいます。
だいぶテンションがかかりますが、一気に差し込むとテントは自立します。
テント本体が立ち上がったところ。
何となく大きさが分かるでしょうか?
内寸は210cm×110cmと2人でもぎりぎり寝ることができ、1人ならば荷物を置いてもちょうどよいサイズです。
私の場合ソロで使うための奥行きサイズの基準は110cm以上です。
本体とフライの間隔はつり下げ式に比べると少ないですが、普段は問題ないでしょう。
ただ、強い雨の時はテントの頂点から下30cmのあたりで本体とフライが接触する場合がありますので、若干の注意が必要です。
本体にフライ(これまた驚くほど薄い!)をかぶせ、四隅をクイックバックルで本体と接続します。
風があるような場合は、フライをかぶせる前に本体の四隅をペグダウンしちゃいましょう。
ペグダウンは四隅と3辺の中間、そして前室部分を行います。
前室張出は45cm程ですが微妙に狭いので、ショックコードを追加して若干広くしています。
地面との隙間が多少できますが、ほとんど問題になりません。
慣れればここまで5分とかからず設営できちゃいます。
その他、必要に応じて張綱4本を使用しペグダウンを行えば、かなりの耐風性を誇ります。
全てをペグダウンすると、その数は12箇所にもなります。
まさに地面に張り付くような感じですね。
設営完了!
出入り口の形状も使いやすく、メッシュにすることもでき、テント後面にある筒状のベンチレーターと相まって通気性もまずまずです。
テント内の結露もほとんど確認できません。
■トレックライズ1DXフライ
超軽量コンパクトなトレックライズですが、その分、前室はお世辞にも広いとはいえません。
ブーツとちょっとした物を置くだけで精一杯・・・
それでも天候がいい場合なら、あまり問題はありませんが、悪天候時にテントの中に閉じこめられるような場合は、ちょっと厳しいものがあるのでした。
以前よりトレックライズリビングシェルという製品もありましたが、あれはさすがに大きすぎて、トレックライズ本来の軽量コンパクト性を犠牲にしてしまいます。
そしたらアライテントさんがやってくれました!
奥行き70cmでちょうどよい広さの前室を作り出すトレックライズ用DXフライの発売です。
図のようにポールを一本追加することによって、台形型の使い勝手のよい前室を作り出します。
重量もわずか400gの増で、従来のフライから変更しても、少ししか仕舞寸法が変わりません。
収納状態の比較です。
上がDXフライで下がトレックライズ標準セット。
DXフライが大きく見えますが収納袋が大きいだけで、実際はノーマルフライの2割増といったところです。
ノーマルフライとDXフライを入れ替えた場合でも、ちゃんと元の収納袋に収まります。
こちらはポールの比較です。
DXフライ用のポールは仕舞寸法43cm・・・
本体のポールが38cmなのに何故43cm!?
これではパニアケースに入れるときに斜めになってしまいます。
それでは、簡単に設営方法を御説明します。
テント本体の設営は今まで同様に行います。
前室分が少し大きくなるので、設営後の大きさをイメージしながら設営場所を選ぶといいでしょう。
前後を確認してバサッとフライをかぶせます。
私はこの時点でテント後方にある2箇所のクイックバックルを接続します。
前室用のポールをスリーブに通します。
これが一方通行ではなかったのがちょっと残念です。
テント本体同様に一方通行だったらよかったのに・・・
上の図にあるAの部分はテント本体のポールの下にDXフライのリングを通して、さらにクイックバックルで本体とフライを接続します。
Bの部分はフライ側のリングに通すだけで、クイックバックルのみで本体と接続します。
なんでここを一方通行にしなかったんだろう?
後方の張り綱2箇所を先にペグダウンし、前室ポール部分から出ている張り綱2箇所と裾の部分をペグダウンをすると、きれいに前室が立ち上がります。
DXフライだけで他のテントが1張り買えそうな値段がするところがつらいですが、広くなった前室は今までテント本体に収納していたパニアケースを置いてもまだ余裕があり、使い勝手が格段に向上しました。
おすすめはできませんが、ちょっとした調理なんかもできてしまいます。
アライのビバークタープL及びトレックタープとの組み合わせはこちらに掲載してありますので、よろしければご覧ください。
■スノーピーク
リビングメッシュエッグ
これはテントではありませんし、本来ファミリーキャンプ用に購入した物ですが、キャンプツーリングに使用してみたところ「使える道具」だったため、こちらに掲載いたします。
最初は洒落のつもりだったんですが・・・
ソロでは設営が容易でないため、それ以外の場面で活躍しています。
面積的には大人4人ぐらいの宴会なら余裕で、5〜6人ぐらいで寝ることも可能です。
表面のかなりの部分をメッシュにすることができるため、夏場の寝床としては最高でした。
当然、蚊取り線香は必須ですが・・・
普通キャンプツーリングには絶対持ってこないような装備ですが、GSならリアシートを取っ払えばコットも含めて、こんな感じで積載できます。
ちなみに重さは約9.5kg、収納サイズは74×28×30cmとなっています。
リビングメッシュエッグとコットを持ってくることにより、夏場だとマットとテントを省くことができるため、マフラー側のパニアケースは買い出し用に空にすることができました。
一度やってみたかったのが、キャンプ場ガレージです。←アホですねぇ〜(笑)
晩秋の上小川では朝霜からGSを守ってくれました。
メッシュではなくフルパネル化すれば寒い季節にも対応できます。
■シェラデザインズ
COSMOS CD
定員2名(奥行きも130cmあります)で総重量約2.2kg。
フレームは3本(長×2、短×1)使いますが頭上の空間が大変ゆったりします。
自立式であることはもちろん、フックでの吊り下げ式なのでいちいちフレームをスリーブに通す手間なく、本体とフライシートとの連結もクイックバックルなので設営が非常に簡単で短時間で済みます。
頭上に短いポールを1本使用することによって、ドーム型としては割と広い前室を確保することができ、ブーツや何やらを置きながらも調理することが可能です。
テント本体は前後とも大きなメッシュがあり通気性はいいのですが、逆に寒い時期の使用には向きません。
主に夏場に使用しております。
実はすごく気に入っているのが収納袋。
かなりゆったり作ってありテントを撤収するとき(特に雨に濡れた場合)かなり助かります。
■モンベル
ムーンライト1型
ツーリングライダーに圧倒的な支持を得ているモンベルのムーンライトシリーズの中で最小最軽量の1型です。
テントというよりシェルターに近く、ソロと割り切った室内空間はかなり狭いですが、身長170cm程度の私だとテント内に荷物を置いて寝ることができます。
独自のA型フレームは設営も大変簡単でものの数分もあれば完了します。
最後までムーンライト2型と迷いましたがコンパクト性と軽さで1型にしました。
パッキングが楽になるので、多少の狭さを割り切ることができる人ならば検討の価値ありです。
スノーピークのペンタとのドッキングです。
設営、撤収は面倒になりますが、巨大な張り出しは雨の日でもとても快適になります。
これは、たまたま所有していた道具の組み合わせですが、これから新しくテントを購入して、同じような快適性を求めるならば、巨大な前室を持つテントがおすすめかな。
最後にテント設営時のコツみたいなものを少々。。。
風を有効に使う
雨の日なんかは出入り口を風上に向けると、出入りするたびに水が吹き込む可能性があります。
しかし夏場なんかは出入り口を風上に向けたほうが換気の面から考えるといいようです。
まっ、一番大事なのは最初にテントを設営するときのインスピレーションかもしれませんが。。。
グランドシートを敷く
メーカー製のものやドカシーなど何でも構いませんがとにかくテントの下にはシートのようなものを敷いておきましょう。
地面からの湿気等を遮るだけではなく、何よりテントの底を汚さずに済みます。
雨が降ったときのことを考えてテントより小さいものじゃなきゃダメですよ!
あまり焚き火の近くには設営しない
火の粉でテントに穴が開いてしまいますから・・・
きちんとペグは打つ
寝ている間に風で飛ばされたくなかったらペグは打っておきましょう。
また、ドーム型だとペグを打つことによって前室を作るものもあります。
試し張りをする
新しいテントを買ったときは現地で使う前に必ず試し張りをしましょう。
いざ、使おうと思ったとき手間取ってちゃカッコ悪いですよね(^_^;)
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